サブスク解禁記念!ハチヤの全曲解説!!


ヘブン
2002.05.29 / COCA-50683 / ¥2,800+Tax


  1. Heaven
  2. よく晴れた月のない夜
  3. 夏の記憶
  4. 流星
  5. 夕暮れ遙か
  6. むし〜2004〜
  7. 夢鳥
  8. 素晴らしい歌

Heaven
#ヘブン(al)
「死生観」っていうのかな。この歳くらいになると、自分にもそれを感じることが起こるし、周りの人達が亡くなったりするのもそう珍しいことではなくなってきて。関係した方々でも天国に召された方がいらっしゃる。

「03」のプロデューサー渡辺善太郎さん、同じく「03」に鍵盤参加の小川文明さん、エンジニア植松豊さん。サニーデイ・サービスのDr.丸山晴茂さん、ローディー福永巧さん。ペテカン本田誠人。そして、ライブハウス新宿ロフトの長であり、ウチらの所属事務所PINK MOONの長であり、地元愛知をこよなく愛する男、小林茂明。アチキが今、こうやってサブスクの原稿を書いているのも、彼の「行動」がなければ、アリエン。

デビュー前の延岡。中尾ちゃんの地元での凱旋ライブ(今教えてもらったけど、2000年3月18日)。市民会館だったかな?立派なホールで仕込みをしていると、スタッフが倒れたという。後の5/20シングル「風の子」リリースを控え、その発売元である日本コロムビア、その宣伝担当が倒れたと。右に出るものはおらぬ逸材。その方か。。

その出来事も映像としてすべて覚えてるけど、率直に言うと「不条理」。なんで?なんで、神様は彼を選んだの?しかない。これも今、中尾ちゃんに教えてもらったけど、享年33歳。その当時のウチらが26,27歳の頃。そんな変わらんじゃん!!生かせよ!!!

病院に搬送され、その後どうなったかもわからないまま、ウチらはライブを敢行。すごく温かく素晴らしい雰囲気のライブだったのを覚えてる。

その後、ご挨拶は出来たのだけれど。。コレがおそらく、メンバー4人で「死」に直面した最初の出来事で。いま考えると、この出来事が4人の中にずーーーっとあって。そこで繋がっている感覚もある。「いいね!」って言ってくれた「中原さん」のために。

で。人は必ず死ぬ。仮に死なないとすると、、こんなに日々頑張らないよね。笑。

よく晴れた月のない夜
#ヘブン(al)
先日ちょうど「中秋の名月」で、幸い居住地はそれはそれは大きなお月様に恵まれました。おじいさんは山へ芝刈りに、おばあさんは、みたいな口調はここでやめます(あーふざけ過ぎ!うーん、このまま行こ!)。

この曲もセルフなんだけど、何だか今でも「うん」って腑に落ちてる納得の曲。何でだろう。白いストラトちゃんの活躍が大きいのかな。この、隙間をたっぷり取った音場。これはシングルコイルならでは。DelayとかReverbの効果を出す隙間をあけとかなくちゃね!(うーん、理解してくれるだろうか。。)

フレーズ的にもストラトちゃんが呼んできたフレーズ成熟期で、久しぶりに(!?)、ギター弾くのが楽しかった思い出がありんす。。何事も進歩ですなぁ。まぁ良い買い物もあれば、悪い買い物も。。「おぅ!あのフライングV、どこ行った?へぃ!あんまり使ってくれねえんで売っぱらっちまいましたよ。。」とかザラ。エフェクター周りも割とザコを買い漁り。。仮にも自分の出す音の根源だから、いろいろ試しますわよ。。トホホ。

〜久々にちゃんと聴こう!〜

イントロのテーマは前述した「レスリースピーカー」の懐かし効果が欲しくてね。録音しながらどなたかに揺れの調節ツマミを操作してもらったの覚えてる(誰?)。

そしてそして。好きなフレーズは0:47、2:07からの裏から入ってくるMajor7thのアルペジオ。これしかない!自画自賛!ジガーズサン!(また登場、先輩お元気ですか!)ってBメロも全部好き〜。

またまた特筆なのは間奏だにゃ(ニャ?)。フレーズはテーマを踏襲してるんだけど、音の出し方が「ドライ」。いうならば、椎名林檎様の張り付くような間近で歌っているようなあのヴォーカル。その効果は実は「何もかけてない」のね(細かいことは色々あるけど割愛!)。そんな効果で逆に物悲しさが出たり、切実感が出たりもする。
で。音ってやっぱり面白いよね(ご飯、おかわり!!)。

夏の記憶
#ヘブン(al)
4thアルバム収録のしっとり曲。聴き直さず、記憶だけを頼りに一度解説。これは絶対Pf欲しい!ということで、奥野真哉様(ソウル・フラワー・ユニオン。祝30周年!)にご登場頂き、感謝感激。鍵盤弾きは大勢いらっしゃるけど、ロック鍵盤!って言ったらこの方の隣は誰?っちゅうくらいの大御所感。それにしても気さくな人でライブでも弾いてくれたの、未だに覚えてるなぁ。

澄み渡った青空、木々の緑。古民家の、風鈴ならす午後の風。遠くで蝉と鳥の声。疲れたら、佇みにおいでよ。田舎の原風景ってこんなんだよね、っていうのが映像として。。

〜心して聴く〜

冒頭のアコギ、珍しくアチキなんじゃないかと思った。音使いが中尾ちゃんとも少し違ってるんで。(間違ってたらスマソ)。ちょうど1:00からのレッテルB。ここから奥野さんもイン。Pfっていいよね。コードとメロディとリズムをこれだけ自由に奏でられる楽器ったらない。

〜しばし聴き入る(良すぎて何かが漏れそう。笑)〜

2番のBから明らかに音使いが増えてきて、その後「サビに行かず」の間奏へのスロープ。この辺りを譜面見て瞬時に「足せる」ところが衝動の音楽たる所以、大御所たる所以なのよね。で、間奏。ゆったりスライドのメロに、Pfの細かいフレーズが、走馬灯の様に想起させる思い出、場面。ジワるよ、ジワったよ(泣)。素晴らしい。。

で。今回は素晴らしすぎて、オチもなし!(ライブで演るとき想い出し泣きでコーラス出来ない時がある、くらい、笑)

流星
#ヘブン(al)
聴かずにコレを思い出す。。。。。思い出した!!

ベースがハンマリングでブイブイいいながら、アチキのギターが切り込んで start。スライドからオクターブメロと、後ろに軽いアルペジオギターのintro。白玉気味のアルペジオの上で、すげぇやつになる人のAメロ。風景を描きながらこれまでの苦悩を重ねるカッティングギターのBメロ。ここまで合ってるかな?聴いてみよ!

〜答え合わせで一曲 repeat AFTER ME(兄さん!!)〜

うん、記憶完璧!ただ、、再発見?初めて?わかんない。定位がパックリ分かれててスゴイ!ツマミ振り切ってる!!キャー!!(ほ?な人に向けて。解説する記事なので解説する!)。

定位(PAN)とは、それぞれの音を左右(LR)でどこに置くか。だが時代は進んでサラウンド→空間オーディオへと進化なのだが。で。

まずintro。伸びやかなクランチのアルペジオが限りなく左から聴こえ、テーマは真ん中に置きがちだけどこの曲はベッタリ「限りなくツマミは右」。曲終わりまでずっとそのまま。イサギヨシ!Bメロだけ、真ん中に定位したフレーズが出てくるナリ。このフレーズ、アチキのオハコね。

この曲のピーク。ラスサビAll In前のブレイク。ここで曲冒頭から一貫した「定位の固定」が活きてくる(ちょっと涙溜まってる。)。ここでも一貫して触らず。E.Guitarのスライドで頭を右に引っ張られ、サビ頭に向けてドン!!みたいな。動かないからこそ、曲のピークに人の体を動かすMIX(泣)。やっぱり信頼の杉山オサムBrand。エンジニアは名もなき大切なバンドメンバー。音楽をこうやって教えてもらいました。。

で。曲タイトルは「りゅうせい」だけど、歌詞に出てくるのは「ナガレボシ」。
で。。地球と書いて「ホシ」と読む。それとも違うか。笑。

夕暮れ遙か
#ヘブン(al)
4thアルバム「ヘブン」に収録の、ナイスミドルな曲(使い方違うか、笑)。03からの〜流れでセルフプロデュース作品となっておりやす。この解説書き始めてから、改めて言いたいこと書いていい?(うん、いいよ!)

どなたかのプロデュースに入ってもらうのと、メンバー4人であーでもないこーでもないって言いながら作るのは「どちらが良いんだろう?」と。また入ってもらう、その判断基準は?

   売れたいのか、売れたくないのか
      (その観点なやつ絶対いる、笑)
   盛り上げたいのか、盛り上げたくないのか
      (これもいる、笑)
   しっとりと泣けるか、泣けないか
      (さぁ、皆さん気付いてきたね)
   じっと聴いて、景色が浮かぶか浮かばないのか。
      (浮かんだ方がそりゃいいじゃん!!)

売りたいし、盛り上げたいし、泣ける曲であり、景色が浮かぶ「曲」に仕立て上げるために、

「もっと、が欲しいから」

アイデア、音楽的な知識、ポピュラリティーへの昇華、新たなエッセンス、ネームバリュー、、を足す意味で起用する。そんな感じ。もちろんお任せではないよ。

確かにウチらはその時、稀有なライブバンドとして自負してたけど「音源として後世に形として遺す」作業をもっともっと頑張るべき、だったとは今だから言える話。

で。この曲、今聴くとソリッドでいいんだけど、確かに何か足りない。。このアレンジでいうと鍵盤。
で。。ホントに言いたいことは。。自分たちの作品を俯瞰で見れない&どなたかに「良し!」って言ってもらえたら、だけの話かも。笑。

むし〜2004〜
#ヘブン(al)
 「むし」のオリジナルバージョンがメジャーリリース(=今回のサブスク解禁内)では無いんだよね。それは「ブレイクアウト」「全国バスツアー」「テレビ朝日ミュージック」な時期に出したからだったね。この3つのワードだけは覚えてるけど、それぞれの詳細な記憶はもう無くて(リメンバーミー、忘れないで〜)。どなたか覚えてる方、どうぞ。

吉田くん、中尾ちゃんのある意味初期の集大成だね。ミクロからマクロな視点へ。一匹の虫でさえ、人間が予測できないほどの行動力を持っていて、それはそれは活発に生きていらっしゃる。地球に棲んでいる動物も植物も苔も菌類もその他の生き物も、みんな対等。そんな発想を抱かせてくれる。(みんなそうだといいけど。。)

〜このバージョン、一字一句覚えてるから聴かないよ〜

この頃のアチキのヘビロテ第1位と言って過言ではない「3eb=Third Eye Blind」。みなさんもその当時、物心ついてたら必ず耳にしてたはずな「Semi-Charmed Life」。「チュッチュチュー」なやつね(乱暴、笑)。いわゆる「ギターバンド」なんだけど、そんじょそこらとワケ違うのが、ギターをギターとして扱ってない=言い方変えると「手クセ」で弾いてない。

まず奏でるメロディーありきで、その後「コレどの楽器で弾こう」って考えたら「ギター」だった、っていう思考回路。この感覚が新鮮でね。その当時ずっと聴いてた。でもメンバーチェンジでギターが代わってからは「あっそういうことね」って感じで次第に追いかけなくなったのを覚えてる。

で。この〜2004〜は、あくまでこの時点での「むし」を今やったらどう?って収録。改めて聴くけど、イイじゃん!
で。。ライブ恒例、この曲やる時の「ジャンプ」。飛ぶにはテンポ遅い→かなりの滞空時間&体の「バネ」が必要だなっていつも思ってた、笑。


#ヘブン(al)
隠れた名曲。別にね隠してるわけじゃないんだけど。。

大好きなの、アチキコレ。哀しい民生さんみたいなイメージで作ってたの覚えてる。最初のストロークも意識してるなぁ。

覚えてるのは、民生さんのRECドキュメンタリーみたいので、ギターのダビングしててね。それこそ「石鹸持ってこーい!」みたいな感じで一番高いレスポール(500〜1,000万クラス?)を弾いてらして。またその音がイナタクて、レンジが濃縮されててイイノヨ。。いい楽器って嘘つかない。困った時も頼りになる。いつもソバにいて欲しいと思う。そんな楽器。まぁアチキがそこまで及ばなくても、いい音で録りたいのはミュージさんのサガ。

〜ここで聴きましょ〜

大人だね〜。。今となっては制作過程も覚えてないんだけど、ヘブンを録ってる頃「大人」ってワードを壁に貼ってたくらいのそれっぽさ。

正直いうと、ウチらの曲って「童心」と切れても切れないものがあると思うんだけど、それを「うん、OK」って受け入れられたのは、全てのアルバムを「出した後」な気もする。仮にそうだとして、作ってる最中は、その違和感を感じつつ、海外との音の違いも睨みつつ、来た球キタタマ撃ち返す!。。。そう、いま思うと正にこんな感じだったよ。。どこかで書いた「ヨダレくささ」。これがアチキの人生の試練。そうかもシレン。

で。今の住居の近くには「蛍」がトビマス、トビマス!!(合掌)。最近見に行けてないなぁ。
で。。この録音の時も、Callaham借りたかった〜。。!それか1,000万のギター予算、、笑。

夢鳥
#ヘブン(al)
ミサイルも拳銃も権力も持ってない「僕」の歌。「そんなモノを持つからいけないんだよ」ってやつ。どっからか勉強し直せ。世界の歴史を。人類はそれを持つことを止められず、悲しい歴史を毎度毎度産み続けてる。「人間は動物とは違うよね」ってやつ。理性があるから、常識があるから、、、?

ねぇよ。

結局、自分から見て「弱い」と思うものを攻撃して、上に立つことで自分の優位性(もしくは食料)を得て、満足する。そんな動く生き物が動物。所詮、そんな生き物なんだよ。そんな人間が書いた「夢の鳥を飛ばす」曲の解説。(今回解説にならないの相当自信ある!)

〜冷静に、冷静に、一回聴く〜

最初のテーマ。語弊があるかも知れないけど、旋律としては「教会」の厳かな感じを頭ん中で描いてたのを覚えてる。奇をてらわない、落ち着いた感じ。

音とは関係ないんだけど。。みんなで一つの夢を描くとしたら、あなたはどんな夢を描きますか?今一度、胸に手を当ててでもいいし、食事しながらでもいいし、誰かと飲みに行ったその場でもいいし、トイレに篭っててもいいから、考えてみて(あーー、いつものアチキに戻ってしまったでアリンス。。笑)。考えるだけでいいからね。

解説に戻ります。テーマに入る前にもいるけどカスタネットの3連符「タカタタッ」。これみんなが反対してもゴリ押しで入れたかったの覚えてる。これまでの様々な曲に入ってて、なんだか「戦争」と真逆なような気がしてね。入れられてヨカッタ。

で。カスタネットは、人間が作ったある「舞踏」に欠かせない楽器。舞踏家含め表現者は悲しみも表現するし、愛情も表現するし、苦悩も表現する。そしてまた別な人間が、殺し合いを先導する皮肉。
で。。地球を破壊しない「動物」と人間の大きな違いは「自意識の過剰」だと思う。(いつになくワケワカメでごめん。でもコレだけだと思うのよ。)

素晴らしい歌
#ヘブン(al)
このテーマを「恥も外聞もなく=ある目的のために自分の体面などまったく気にせずに行動する様子(出典:広辞苑)」世に出してしまえるのは、まさにウチらの真骨頂。パッションのなせるワザ。後先考えず、責任取らず。。。

この曲で歌う、何が「素晴らしいか?」はさておき、このタイトルでRECして、マスタリングして、CDプレスして、全国のCDショップに置かれていたと思うと、今でも武者震いしかない。(やったぜ、ブルったぜ!笑)。

〜ま、久しぶりに聴きますか〜

すっげー、かっこいいじゃん!涙出た!ホントに他のどなたかが作った曲を、ハジメテ聴いてるような新鮮な気分。違う曲の解説で「曲の歌詞は意識しねぇ」みたいなこと書いたけど、この曲に対してはちょっと今「ホントにゴメン」な気持ちで溢れてる。

正直、このテーマがおこがましすぎてその当時、オレ引いてた。メンバーみんな気づいてたと思うけどね。乗り気じゃない雰囲気出してた、ゴメン。今になって、理解できてよかった。

 世界のみんなが誰でも持ってる「素晴らしい〇〇」。歌詞から抜粋すると「情熱・愛情・友情・青春・平和・未来・絆・命」。どれも人が生きていく上でありふれた、根本的なこと。この8本のロウソクが、世界のみんなの心の中で絶えず火を灯していれば、どれだけいいだろうと、イマふと思う。

で。「絆・命」のウラの演奏が、1.2倍くらいのテンションなんだけど、チョイと上がってるのが、素晴らしくココチヨイ。
で。。言い換えるとこの曲は「素晴らしい〇〇の歌」。今のオレは〇〇に「文章力」が入る。笑




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