2012年5月20日。12年前に「風の子」でデビューしたこの日、In the Soup はリユニオンから半年ぶり二度目のライブを行った。ライブ終了直後のコーフン冷めやらぬなか、ベースの草場敬普とドラムの吉田慎一郎のふたりに直撃インタビューしてきました。
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■■:2011年のジュテーム以来となる久々のライブでしたがいかがでしたか?
吉田:今日はね、なぜかがんばりすぎないでチカラを抜いてできたね。
草場:うん、おもしろかった。
■■:ノッてたよね、メンバーもお客さんも。会場にお客さんがたくさん入っていたし。
吉田:なんかねぇ、こう、すごく、ここ12年の歩みの中でリハーサルの段階からものすごくアンサンブルを大事にできて、すごくあわせやすかった。
■■:今日のセットリストにはどういった趣向が? ずいぶん懐かしい曲もありましたが?
吉田:オレンジの太陽は明日金環日食だからね(笑)。ていうか今回は諭介が持ってきたセットリスト案が元になっているんだけど、なんかこう、いつもの曲の並びだったから、ワンフック欲しいなといろいろ案を出しあって、突拍子もない曲を提示してた中で「オレンジの太陽」もあって。 そしたら意外と、ずーっとやってなかったのに、5年前6年前には諭介にやろうって言ってもあんまり乗り気じゃなくってこの曲歌いたくないのかなとか思ってて、それでも今回また言ったらすぐに「演ろう演ろう」ってなって。
■■:歌い手なりの歌いたいタイミングがあるんだろうね。
吉田:歌いたいっていうより歌えるタイミングがね。コード進行も簡単な曲だし(笑)。
■■:あ、それすごく大事(笑)。
吉田:あと、実は今日のライブの裏テーマが「風の子 VS 風の子」っていうのがあって、風の子には「♪太陽と土と水と」っていう歌詞があるんだけどおれはなぜか間違えて「♪太陽と月と星と」って覚えてて、これは金環日食繋がりでオレンジの太陽と一緒にセットリストに入れたほうがいいでしょ!って力説してたんだけどみんなには全然伝わってなかったりしてね。
草場:歌詞を間違ってるからいったいナニのこと言ってんの?って。
■■:しかも5月20日はデビュー記念日だからデビューシングルの「風の子」を外すわけもないしね。
■■:では、話を少し過去に戻して…。「スマイルサークル」以降のこと、2007年にアルバムをレコーディングしてリリースしてジューテムを開催してそれをライブアルバムとして出して、それから In the Soup の活動がフェードアウトしていったことについて聞かせてください。なぜフェードアウトしたのか? 2011年のジュテームで復活するまで個人個人でどんな活動をしていたのか?などなど。
草場:2007年の7月に In the Soup で吉祥寺のロックジョイント GB でライブをやったのが最後?おれ、その次の日も吉祥寺でニックバッカーズのライブやってた(笑)。それからもニックバッカーズをやったりときどきソロで弾き語りをやったり、稲毛にある K's Dream ってライブハウスで自分でイベントを企画したり、たまに呼ばれれば他のところでも演奏したり。
吉田:あの時期に In the Soup の活動をあえてフェードアウトしようとかカットアウトしようとか、そういうことはなくって。なんか、昔からそうだったんだけどやりたい時に集まってやろうよ的な感じがあって、でも、やりたくない時にもやらなきゃいけない状況が多々あったんだけど、いまはそういう状況はないわけだから、だったらやんなきゃいいじゃんって。自分たちが「今だ!」っていうタイミングが出てくるまでやらなくてもいいんじゃないかってね、それだけかな。
■■:じゃぁ、この活動再開は?
吉田:だから、いまやり始めたのはメンバーみんながやりたいからだよ。それだけだよ。単純明快。ジュテームっていう10月6日のライブが恒例になってて、それがきっかけになっていろんなものがうまく繋がって。実はジュテームでの復活のキーマンは昔のマネージャーなんだよね。ありがたいことにそのマネージャーはバンドが事務所を離れた後も仕事とか関係なく気にかけてくれてて、それで2011年の年明けくらいに「10月6日のシェルターを押さえるから」って。
草場:おれと諭介は月に一回くらいはそのマネージャーと会って話はしてたんだけどね。一緒に飲んで、そういう時に3人で「In the Soup やりたいね」って話をしてて。そしたらちょうどシェルターが20周年イベントをやるってことになって、その中のひとつでどうですか?ってことになって。
吉田:その「シェルターでやろうよ」ってひと言がなかったらリユニオンなんて考えもしなかっただろうけど、それから「やれるのかなぁ」なんて不安を感じつつも考え始めて。
■■:じゃぁほんとに全部タイミングが良かったんだ。みんなの気持ちとマネージャーさんの持ってきてくれたシェルターでのリユニオンと。
草場:そうそうそう。
吉田:また、シェルターっていう場所がよかったね。シェルターってプロになるとかそういう以前のバンドが目標とするライブハウスじゃん。神奈川の片隅でバンド活動してから東京に出てきて、とりあえず「シェルターに出れるようになろうよ!」ってがんばってやってきて、やっと出演できて当時の店長に引っ張られて、それがきっかけでロフト系の事務所に入れたわけだし。もしリユニオンがぜんぜん違うライブハウスだったら気持ちも入らなかっただろうし。
■■:シェルターっていうことでスッとうまく気持ちが入ったわけだ。
吉田:あと、活動休止中はおれが一番なにもやってなかった。ドラムも叩いてなかった。ジャンベを叩いたりギターを弾いたり曲を作ったりはしてたけど、ほんとにドラムは叩いてなかった。だからジュテームが決まってからひとりでスタジオに入って練習して。「あ、おれ、ドラム叩けるじゃん」なんて楽しくなって。「やっぱりおもしろいな、ドラムって。バンドって。」って思ったし。
■■:一回音楽から離れたから楽しさやおもしろさが見えてきたと。
吉田:それはわかんないけど、なんかこう、前回のジュテームでは演奏の中で遊ぶ余裕がなかった。でも今日は良い感じで遊べたし、楽しかった。
■■:今年のジュテームに向けていい方向に転がってきてると?
吉田:それはわかんないけどね。気持ちは盛り上がってきているよね、なんだかわかんないけど。
■■:そういえば今年のジュテームは新曲とか、どうなの?
草場:それは言えねぇだろ!(笑)
■■:そうだね、それはジュテームに来てのお楽しみだね。じゃぁ、ありがちな質問だけどメンバーにとって In the Soup とはどんな存在ですか?
吉田:(長い沈黙)…。なんだろうなぁ。釣り仲間?むかしからたまに言ってるんだけど釣りって絶対にやらなきゃいけないことでもないし、天候が悪かったら行かないし…。
草場:行くよ!ていうか行ってたじゃん!いつも一緒に。(笑)
吉田:行きたいやつらがいれば、そのメンツで行けばいいし。「行こっか?」「行こう行こう!」みたいなノリでね。でも釣り仲間ってハマったら竿やルアーにとことん凝ったり、船まで買ったりしてね。ま、釣りはキライだけどね、おれ(笑)。やるとおもしろいんだけど…、気持ち悪んだよ、あのエサの虫が。あれがちょっとねぇ。
■■:じゃぁエサはだれか他の頼れるメンバーにつけてもらうとして。同じ質問に草場さんにも答えてもらいます。
草場:ふね。
■■:ふね?ふねって船?ちょっと抽象的すぎない? では In the Soup が船ってことはメンバーは?
草場:乗組員。
■■:漁師とか操縦士とか?
草場:それは知らん。それはみんなそれぞれの役割があるんじゃない?そのときそのときの。誰かが舵をとって、誰かがマストを広げて、誰かがご飯の魚を釣って。ってそれこそ shin の言ってた釣り仲間じゃないけどさ。(笑) 目的地は、昔はウッドストックっていってたけど、いまは別の宝物をさがして行きたい方向に向かって舵を切って行くだけじゃないかな。
■■:船っていうのは共同体っていう意味でいいのかな。
草場:そうだね、コミューン的な。船に乗っていちど海に出たら、もう4人でやるしかないから。おれらの船はおっきいよ。タイタニックくらい大きな船だよ。
吉田:タイタニックじゃ座礁しちゃうじゃん!(一同笑)
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■■:では最後にファンにひと言。
吉田:これからずっと、っていうのはまだわかんないけど、ジュテームまでメンバーと一緒に進んでいこうって、歩んでいこうって思ってる。もちろんみんなも一緒に。だから、見ててね。
草場:去年とは違うあたらしい In the Soup を、同じ曲を演奏しても違う 2012 年の In the Soup を魅せたいから、うん、早めにチケットを買うように! 早めに売切れないとずーっとドキドキしちゃうから早めに買って下さい!
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去年のジュテームはリユニオンワンマンでチケットも早い段階でソールドアウトしました。残念ながらチケット入手がかなわなかった方は早めの行動を! 遠方の方も今年は土曜日開催なのでなんとか都合をつけて下北沢で逢いましょう!チケットは6月9日(土)、ロックの日に発売開始です!